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持っているだけでお金がかかる!紙の通帳・未利用口座有料化の流れ

都市銀行大手のみずほ銀行は8月に、2021年1月より紙の通帳の発行を有料化すると発表しました。新規発行と繰り越し時の手数料は1,100円(税込)。但し、2021年以前に開設された口座は対象外。70歳以上の場合は無料。

みずほ銀行に続き、三井住友銀行も2021年4月より通帳発行に年額550円(税込)を徴収すると発表。ただし、2021年3月31日以前に開設された口座は対象外。18歳未満、75歳以上は無料となっています。


また、各メガバンクは2年以上入出金がない口座に対して「未利用口座管理手数料」を徴収し残高ゼロで自動解約としています。メガバンク2行が通帳発行有料に踏み切ったことにより、他銀行でも同じ動きがみられるのではと考えられます。

未利用口座に手数料がかかるようになると、「銀行にお金を預けておけば知らない間にお金が増える」とはならず、「預けておくだけでは勝手にお金が減っていく」ことになります。日本のネットバンク利用率は主要先進国中最下位とのこと、管総理大臣の肝いりでデジタル庁が作られたことにより、デジタル化はいっそう進んで行くものと考えられます。そして「紙の通帳が有料なのは当たり前」という時代になっていくのかも知れません。

メガバンクの紙媒体通帳発行手数料等概況 

 

新規で紙媒体通帳発行手数料

未利用口座管理手数料

三井住友銀行

550円 (2021年4月から)

1,100円(2年以上利用がない場合)

みずほ銀行

1,100円(2021118日から)

1年以上利用がない場合ネットに移行

りそな銀行

 

1,320円(2年以上利用がない場合)

三菱UFJ銀行

新規口座開設時、紙通帳は原則廃止

 

 詳しくは各銀行におたずね下さい

◆認知症のソナエと終活にむけて

金融機関との取引がオンライン上に移っていくにつれて、将来その方が認知症になったり、亡くなった時にに「どの金融機関の口座を持っていたか」という確認が難しくなる事が容易に考えられます。

だからこそ元気なうちに、昔の給与振り込みだった口座、バブル時に営業マンに懇願されて作った口座などつかっていない銀行口座など、取引を整理・統合しスッキリさせたいものです。


また、ネットバンキングの暗証番号とパスワード、アクセスの方法などは紙媒体に書いておくことをお勧めします。(エンディングノートは遺言の付言事項など)

ご自身のためでもあり、ご家族の負担を軽減することにつながります。

◆時代は変わりました

「銀行にお金を入れておけば安心・安全」と思われてきた銀行預金は手数料の他にも物価上昇リスクがあります。金利が高かった時代は終わり、金利がほとんどつかない銀行預金は物価上昇に負けてしまうリスクもあるのです。

◆阪南市での状況は

通帳有料化について、阪南市内にある池田泉州銀行、紀陽銀行、第三銀行、大阪信用金庫、きのくに信用金庫は今のところ発表していませんが、2019年10月に池田泉州銀行箱作支店が阪南支店内(尾崎)に移動。第三銀行阪南支店が2021年9月に和歌山支店と統合され、ATM機だけとなり、南海団地内にあるATM機は2020年12月に廃止すると発表しています。地方銀行は都市銀行と比べて厳しい状況下にあるといわれ、小さな店舗を維持するのはコストがかかりすぎるということなのでしょう。

 

ファイナンシャルプランナー  坂本典子